中野です
ここ何回か「妊娠後」について書きましたが、
不妊も妊婦も、そして子供の治療も目標は一緒です。
なぜなら、妊娠サポートの目標は
・「子供がいる」という人生を手に入れてもらうこと
に加え、
・「子供が健康である」という人生を手に入れてもらうこと
だからです。
僕は、子供が3人います。
子供もおかげさまで、たまに風邪を引いたり、けがをしたりしながらスクスク成長しています。
それでも子供のチョットした体調不良や怪我で心配をしてしまうものです。
産まれ持ってアレルギー等の症状が出やすい体質の子は、
「個性」を受け入れて、症状が出ないように適応していく事が大事です。
アトピーに感謝するとか、アトピーが才能であるとか
そういったことに関しては何が正しくて、どう向き合うべきかは人それぞれだと思いますが、
少なくとも親子共に「苦しい」経験はします。
我が子が「赤ちゃんである時期」はとても短いです。
その時期を症状のことばかり考えて過ごすのはとても苦しいです。
治療家として、一緒に向き合っていて思います。
不妊もそうです。
「結婚して幸せになろう」と誓ったのに、20代・30代という結婚生活を不妊人生で過ごすのはとても苦しいです。
僕たちは、そういった意味では「症状を治す」仕事以上に、
「相手の時間の価値を変える」仕事をしているという自覚をもつべきだと思います。
過去の時間は変えられないと思いますか?
僕は、変えられると思います。
過去の事実は変えられませんが、価値は変えられます。
ほとんどの不妊やアトピーの方が、
「ああすればよかった」「もっと早く気付いてればよかった」「無駄な時間を過ごした」
と思っていますが、
それに対して、「自分なりに頑張ってきた」「勇気を出してここに来れた」と相手の過去を受け入れたり、
受け入れさせてあげれば、正しかったかどうかは別として、過去に対する価値は変えられます。
過去から学べた
過去があったから今変わろうとしている
という感じです。
そうすれば「今」や「未来」に目を向けることができます。
そして未来にどんな価値のある人生を歩みたいか
というベクトルを一緒に共有できれば、治療効果も上がります。
「相手の時間を大事にする」
という事は師匠からよく言われていましたが、
最近僕もやっと自分なりにこの意味が分かってきました。
治療以前に、こういった哲学をもって治療家として相手に向き合っていく努力をしていきたいと思います。
みなさんも、臨床で相手に向き合う中でこういった哲学を作っていってください。
ちなみに、相手の時間を大事にするには、自分の時間を大事にしなければいけません。
毎日を大事にしていきましょう。
中野