中野です
今回は、「病院の検査が(あくまで一般論での)不妊の原因のどこに対応してるのか」というお話です。
これを知ることで、次回お話する健康問題とのつなげ方が分かるようになります。
では、順番通りいきます。
・そもそも精子が子宮に入って行けるのか?
これには、フーナーテスト(性行後検査)というものをやります。
要は、排卵前にセックスをして子宮の中に精子があるかを調べるものです。
結構重要な検査で、人工授精の適応かどうなのかの基準にもなるのですが、やらない病院がとても多い。
お腹の中をいじくる前によっぽどリスクも少なくやって欲しい検査なのです。
・卵管を通って行けるのか?
これは、卵管造影検査をします。
卵管が詰まっていると精子が卵子を迎えに行けないということなのですが、
詰まっていると、受精した後子宮に戻れないので子宮外妊娠の原因にもなりえます。
・卵が育ってるか?排卵してるか?
これは、超音波で卵胞のチェックや排卵後に卵子がしっかり出ているかを見ることで分かります。
ただ、基礎体温を見れば特殊な場合を除き排卵してるかは分かります。
・ホルモン検査
これは、周期に分けでどこで検査するかで意味が違うのですが、おもには排卵を促すホルモンがしっかり出ているかを検査する目的で行われます。
病院ではあくまで基準値といった数値的な検査と評価です。僕は機能が大事だと思っています。
理由は、人によって感受性が違うからです。
黄体ホルモンが基準より少なくても、基礎体温や子宮内膜の状態が良ければ機能してるということで、必要ないから分泌も少ないと思われます。なので、薬での補充は必要ないはずです。
ピックアップ障害に関しては、調べる方法なくあくまで仮説ということになっています。
あとは、精液検査です。
簡単に言うと、
・泳いでいけるか?
・精液の中に精子が沢山いるか?
これはフーナーテストの結果にも大きく影響します。
よく、男性は不妊治療に対して「任せるよ」といてくれる方が多いのですが、あくまでこれって「女性に問題がある事を前提」の様に受け取れるので精神的には「孤独に頑張っている」方も多いです。
なので、男性も一緒に健康問題に取り組んでもらえるようにするのも大事です。
あとは、
一回の検査では正直結果が疑わしいですね。
フーナーテストにしてもホルモン検査にしても、卵管造影だって、その時のホルモン状態、他の臓器の位置によって違うと思います。
体調も気持ちも日によって違うし、時間帯によって出るホルモンも変わってきます。
そこで一回の検査で、
落ち込ませてしまうのは本当に相手にとって有益かどうか疑問です。
現実的に検査を受けた方にそんなことを言っても仕方ないので、
僕らがサポートするのが仕事だと思っています。
本人と一緒に、体を見つめなおしていけるようにしてください。
病院の検査でなくても、よくわかることが沢山ありますからね。
中野