中野です
今日は「本人が不妊治療とどう向き合うか」についてお話します。
先日来ていた方の状況についてご紹介します。
この方は、僕の所へ来て2回目でした。
30代前半で2年間妊娠に悩み、一年ほど前から病院で不妊治療を受けています。
人工授精をかなりの回数をやり、年内無理なら年明けに体外受精をすすめられ、やる予定だということでした。
初回お話を聞いて気になったのが、病院の検査結果でご本人に問題は見つからなかったものの、
旦那さんの精子の運動率が悪いので「自然妊娠は無理です」と言われ半年以上も人工授精をやってきたという点です。
多くの病院の不妊治療は一定期間ホルモン療法を行い、6回程度人工授精を行い、無理であれば体外受精に移行するというパターンです。
この方もそういう「パターン」をたどるというわけです。
病院の治療方針がどうとかは置いて、この「自然妊娠は無理」という言葉が適切であるか、そしてどれだけ本人に重い言葉であるのかは想像できると思います。
そして多くの方がこういうステップを踏むことが「妊娠しやすい体になる」と信じています。
そして、なかなか妊娠できず不妊治療を疑い始めても
「不妊治療を休む勇気」を持てないでいます。
なぜなら、
「せっかくホルモン療法をやって体を作ってきたのにもったいないのでは?」
「薬が体に合わないとは思ってるけど、病院を休む=妊娠できなくなるかも」
と思っている方もいるからです。
こういう時にこちらが「休む」こと「休んでもいいんだ」ということを伝えたり、背中を押す役割が大事な時があります。
ただ、言っておきますが、セラピスト自身が、医療とと健康の領域を考えてアドバイスできることが前提です。
特に人工授精のタイミングが本当にいいタイミングなのかが微妙ですし、
一回の人工授精よりも数回のセックスのほうがタイミング的にいい場合もあります。
加えて、本当に精子の運動率だけが問題なら改善の余地はかなりあります。
運動率が悪いならなおさら、セックスを沢山して精子の代謝を促すべきです。
男性にとっても「自分の精子が悪い」上に「自然妊娠は無理」そして「そのせいで嫁さんが苦しんでいる」、
加えてセックスも減るなんて、心にも体にも精子にもよくないです。
ただ、一番の問題は改善できる可能性があるということや、改善方法をだれも提案できないことです。
難しいことではないのに。
今回の方には、初回に
・精子について
・タイミングと授精について
・お二人で取り組めるファスティングジュース
・簡単なセルフケア
・もし体外受精に挑むとしてもそれに備えて心と体を整えることに価値があること
をお伝えしました。
「病院の治療はやめろ」とは言っていません。
でも昨日来られた時に「夫婦で話して、とりあえず年内は人工授精をやらずタイミングやセルフケアをしてみる」という答えをいただきました。
つい最近だと、同じようにホルモン療法と人工授精を8回失敗した方で、体外受精を決めていた矢先に自然妊娠された方がいます。
というか、こういうことはよくあります。
医師からは「ここで自然妊娠されちゃうちゃうとねぇ・・・苦笑」と言われたそうです。
不妊治療はやはり相手に合わせた選択肢と可能性を提示して、相手の意思で選べるようにしてあげるべきですね。
今後、この方が自分の選択に対して「本当によかった」と思えるようなサポートをしていきたいと思います。
中野