中野です
今日はあなたが治療家として不妊にお悩みの方へどんな「価値」を
与えるべきかについてお話します。
妊活というのは「妊娠」という一つのゴールに向かう意識があるので、
どこに「価値」を置いて仕事をするかはかなり重要です。
~妊活という時間に価値を与えるとは?~
この「価値」とは何か?
最近の妊活の傾向として、
結婚してすぐに不妊クリニックへ受診するということです。
受診に関しては、
良いか悪いか、の問題ではありません。
「不妊治療の現状」に問題があると思うのです。
現在、日本は世界一の病気大国であり、不妊大国だと言われています。
理由は、晩婚や、食事環境の影響、薬の使用量の増加、便利すぎて運動量が
極端に少なくなったこと等色々とあります。
体外受精も施術頻度で言うと世界一と言われていて、
2012年のデータですが、約32万6千回の体外受精がお行われ、3万7953人が出産したそうです。
しかし、この数字を見ると体外受精の成功率の低さが分かります。
妊娠したことが成功ではなく、
その後の流産も踏まえ出産まで辿りつくのが1割くらいだということが分かります。
その間に、犠牲にするものは本当に大きいです。
莫大な費用、長い年月、そしてストレスや服薬による心身の疲労や健康
「ろくにセックスもしないで、体外受精はおかしい」という意見もありますが、
晩婚化や共働きの多さという現状を踏まえると、
体外受精の選択も必要な状況もあるでしょう。
ただ、問題はこの体外受精の成功率の低さであり、
その原因の一つとして「体外受精に至るまでのプロセス」に問題が多いと感じます。
特に日本人は「医者にものが言えない」と言われています。
臨床で沢山の方に向き合っていても、
体外受精が比較的うまく言っている方の場合、
不妊治療に時間をかけず比較的早い段階で「自らの意思」で体外受精を選択している
という傾向があります。
逆に体外受精が上手くいっていない方の傾向として、
不妊クリニックを受診し、言われるがまま検査と治療を受けそのまま、
・タイミング療法に時間をかけ
・ホルモン療法に時間をかけ
・人工授精に時間をかけ
心身共に傷ついた段階で初めて「最後の手段」として体外受精を提案され、選択するパターンです。
そして結局体、外受精を選択するまでに数年かかるという方が多いです。
その過程で、
・長期にわたる通院や服薬
・ストレスで仕事を辞めたりする事での体力面の低下
・加齢が進む(細胞、つまり卵子の老化)
・自分は何やっても妊娠できないという自尊心の低下
・セックスを含めた夫婦関でのすれ違い
が起こっている方を沢山見ます。
僕が初診時に必ずお伝えすることは
「妊活している間もあなたの人生だ」
ということです。
つまり後悔が無いように妊活の時間を過ごして欲しいということです。
問診票でも「後悔したくない」という言葉を記載する方は多いです。
こういった方を放っておけますか?
「妊活という時間」に対して、
健康に携わるみなさんセラピストであればもっと価値を与えられるはずです。
本来、妊活とは
「生まれてくる子供、その子が産まれた後の家庭の幸せを夢見て活動をする」
という、とっても尊く貴重な時間です。
その時間を「単に苦しい時間」、
その時間を乗り越えて「単に妊娠できた」という時間でよいのか?ということです。
その方の人生、その子供の人生はもっともっと続きます。
実際、妊活中の方は、目の前の事(妊娠)にいっぱいいっぱいだからこそ、
理念を持ったうえでの、皆さんのお力や協会のサポートが必要な時代です。
そしてこんな価値のある仕事を誇りに思っています。
仕事とは「責任」です、「責任」は「対価」となります。
あなたがセラピストとしてどんな「対価」をいただいて生きていきたいのか。
これから何十年と共にする仕事です。
一回真剣に想像し、考えてみてください。
子供の世代までの健康を考えて「不妊をゼロに」を一緒に目指しましょう。
中野
中野